６月のご縁 薬師寺 Things happen in June?

苔寺の後は母に面会してから、甥っ子が一人暮らしをしている実家に一泊。彼の持ち物が溢れる中にも母の物が所々残してあり、地震の後に危険防止のため私が外した父の自画像や風景画が、ビスでしっかりと壁に固定してありました。さりげない甥の気遣いが伝わります。

 

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地震

 

その中の一枚に「58. 6. 25  勝間田池より薬師寺を望む」と書いてあります。カツマタ池ってどこ？

 

令和は便利な時代、Googleマップが何でも教えてくれます。「よっしゃ、明日はこの絵と同じ風景を撮ってみよう！」目的ができると張り切る山羊座の女なのでした。

 

翌日、再び Googleマップを頼りに薬師寺へ。奈良らしい、ゆったりとした建築様式。空が広いわ～。心も広々です。

 

妻の病気平癒を祈願して建築したけど、完成を待たずに亡くなった天武天皇。元気になった妻は次期天皇になり、他の皇子を押しのけて我が子を皇太子に。やるね、持統天皇。千年以上も前なのに女の生きざまはドラマだわ～。「春すぎて夏きにけらし」６月にあなたの軌跡を辿ることができるとは…。（あの歌が詠まれたのは６月より早い時期？）

 

ちょうど特別公開されていた東塔と西塔で、仏陀の一生を彫刻で表したものを見ることができました。彼を悟りに導いたスジャータもいましたよ(笑)

 

そんなこんなで沢山歩いたらちょっとお疲れ。座りたい、何か飲みたい。Google マップにお願いすると、池までの道すがらに謎の喫茶店を発見。「夏きにけらし」で私の「ころも」は汗でびっしょり。とにかく何か飲ませてくれ～。

 

本のある喫茶店うのん

 

外観は普通の住宅。内側も普通の住宅。経営者のご夫婦と地元の常連さんがおしゃべり中。スマホで撮影した絵を見せると、薬師寺周辺の西ノ京町の歴史を詳しく説明してくれました。同じく熱心な歴史愛好家だった奥様のお父様が残した写真と大量の手書きの資料を、デジタル保存すべく奮闘中なのだそうです。本当に地元愛に溢れていて、好きなことに熱中している人のエネルギーを十分楽しませてくださいました。そんな人たちを私のところに連れてきて…って宇宙にお願いしたら早速叶ったみたいです。

 

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1528年に兵火で焼失した西塔がようやく再建されたのは1981年。「この絵が描かれたのはその２年後ですね」と指摘され、「あら、本当だ。しかも今からちょうど40年前の６月」と気づきました。

 

奥様が途中まで送ってくださったので、父が見た風景まで迷わず辿り着くことができました。スマホがない時代に、父はどうやってこのインスタ映えするお絵描きスポットを探し当てたのでしょう。私が嫁いでから３年経った週末に、日差しと汗に顔をしかめながら、画材を肩に同じ道を歩く姿が目に浮かびました。

 

40年後、私はその時の父の歳を超えています。そういえば、私が結婚したのも父の命日も６月。上記の地震があったのも６月でした。

 

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絵に描かれていた若草山の山焼きの跡は、曇っていたので裸眼ではよく分かりませんでしたが、写真を拡大してみるとうっすら写っています。勝間田池は地元では大池と呼ばれ、奈良時代は周囲に住む貴族たちの散歩コースだったとか。雅な方々もここから山や月や塔を眺めたのでしょう。どおりで懐かしい…（なんでやねん）

 

次回はうのんの奥様ご推薦の写真家の美術館を訪ねてみようと思います。

 

One of my father's paintings was the two towers and the main building of Yakushi-ji temple behind Katsumata Pond in Nara.  I wondered where he drew it?  Now, thanks to Google Maps, it is easy to find the location and visit there.  Yesterday, I was in Kyoto; today, I will be in Nara!  Let's go explore.

 

Before heading for the pond, I decided to go to Yakushi-ji temple first.  After spending over an hour there, I started feeling thirsty.  I assumed it would be a simple task to find a fancy restaurant or cafe using Google Maps.  However, to my 'dissapointment,' there was only one cafe between the temple and the pond.  And it turned out to be an unforgetable encounter with people who were truly enjoying life.  The onwner of the cafe and her later father were both passionate lovers of their local history.  She is motivated to digitize her father's enermous amount of hand-written documents on the local history and traditions.  Her cheerful energy and love for hometown were amazing.  I am grateful to the Universe for fulfilling my wish to meet people who appreciate and embrace life.  

 

The West Tower of Yakushi-ji temple was destroyed during a war in 1528 and was later reconstructed in 1981. It took more than 450 years! I guess the big news about it on TV or in the newspaper might have awakened my father's interest.  But how did he manage to find the most Instagrammable spot without a smartphone? 

 

It was June 1983.  Now I am older than he was back then.  I found myself watching him as he walks along the same path. It was also June when he passed away in 2016.